2013/5/21

競争法

カード大手ビザ、国際決済手数料問題で是正案を提示

この記事の要約

クレジットカード大手のビザが欧州で徴収しているクレジットカードの国際決済手数料「多国間交換手数料(MIF)」がEU競争法に違反する疑いがあるとして欧州委員会が調査を進めている問題で、欧州委は14日、ビザからMIFを引き下 […]

クレジットカード大手のビザが欧州で徴収しているクレジットカードの国際決済手数料「多国間交換手数料(MIF)」がEU競争法に違反する疑いがあるとして欧州委員会が調査を進めている問題で、欧州委は14日、ビザからMIFを引き下げる是正案の提示があったことを明らかにした。

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MIFは越境的なクレジットカードやデビットカード取引の処理及び決済に関連して銀行間で課される手数料で、加盟店銀行(加盟店での取引を処理する銀行)からカード発行銀行に支払われる。欧州委は昨年7月、クレジットカードのMIFが最終的に商品価格に上乗せされて消費者に不当な負担を強いるとともに、銀行間の競争を阻害しているとの見解を示した補完的異議告知書(SSO)をビザに送付していた。欧州委の声明によると、ビザはクレジットカードのMIFを40~60%引き下げ0.3%とするとともに、国境を越えた競争を促進するためルール改正を行うことを約束した。アルムニア副委員長(競争政策担当)は、域内の消費者と企業にとってカード支払いは大きな重要性を持っており、銀行間の取り組みに関する競争の制限に終止符を打つことは欧州委にとって優先事項だと強調。ビザの決定は、「こうした方向に向けた大きな前進だ」と評価するコメントを発表した。欧州委は今後、ビザの是正案について同業他社などの利害関係者からの意見を求める「市場テスト」を行った上で、最終的な判断を下す方針だ。

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ビザは欧州で使用されているペイメントカードの41%を発行している。ビザのカードを受け入れる業者は500万件に上り、2010年の決済額は1兆8,000億ユーロに達した。

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