2013/5/27

産業・貿易

欧州委、対中投資協定の交渉開始を提案

この記事の要約

欧州委員会は23日、中国との投資協定の締結に向けた交渉を開始するよう加盟国に提案した。投資家の保護や規制緩和による投資促進が狙い。投資分野に限った交渉が提案されるのは、外国直接投資がリスボン条約によってEUの排他的権限と […]

欧州委員会は23日、中国との投資協定の締結に向けた交渉を開始するよう加盟国に提案した。投資家の保護や規制緩和による投資促進が狙い。投資分野に限った交渉が提案されるのは、外国直接投資がリスボン条約によってEUの排他的権限とされて以来初めて。

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EUと中国は2012年2月の首脳会談で、投資協定の交渉を始めることで合意していた。欧州委のデフフト委員(通商担当)は、「EUと中国の投資協定は、両者の結びつきを深め、強力なパートナーシップの構築に取り組んでいるというシグナルを送るものだ」と指摘。協定によって現在のオープンな環境と新たな投資の自由化を進めることを保証するとともに、投資家と投資家の資産の取り扱いを改善する必要があるとの認識を示した。

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投資協定の交渉開始にはEU加盟国の承認が必要。EUでは既に大半の国が中国と個別に投資保護に関する協定を結んでいるが、投資協定が結ばれれば、各国の協定は置き換えられることになる。投資協定は将来の自由貿易協定(FTA)締結に向けた第一歩と位置づけられるが、EUと中国の間では太陽光パネルや通信機器、鋼管などを巡って貿易摩擦が激しさを増しており、交渉が順調にスタートするかが注目される。

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欧州委によると、2011年のEU企業による対中投資額は175億ユーロだったの対し、中国企業の対EU投資は28億ユーロにとどまった。

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