2013/5/27

産業・貿易

EU車排ガス規制案、25年規制値の盛り込みに独自工会が反対

この記事の要約

新車の二酸化炭素(CO2)排出削減に向けたEUの計画を独自動車工業会(VDA)が強く懸念している。大型モデルが多いドイツメーカーに不利になる恐れがあるためで、独政府に対し反対の立場を取るよう要請した。メルケル首相に宛てた […]

新車の二酸化炭素(CO2)排出削減に向けたEUの計画を独自動車工業会(VDA)が強く懸念している。大型モデルが多いドイツメーカーに不利になる恐れがあるためで、独政府に対し反対の立場を取るよう要請した。メルケル首相に宛てたVDAのヴィスマン会長の8日付書簡をもとに21日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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欧州議会の環境委員会は4月24日、EU域内で販売される新車を対象とする2020年と25年までのCO2排出量の削減目標を定めた規制案を承認した。欧州委員会が昨年7月に発表した原案には25年を期限とする数値目標は盛り込まれていなかったが、環境委はさらに一歩踏み込んで野心的な削減目標を打ち出した。規則案は今後、EU閣僚理事会で検討される。

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EU域内で販売される乗用車(新車)のCO2排出量は11年時点で走行1キロメートル当たり平均135.7グラムだった。現行規則は15年までにこれを平均130グラムに削減する義務的数値目標を掲げ、06年の排出実績に基づいてメーカーごとに排出枠を設定して削減できなかった場合は超過分に制裁金を科すと定めている。

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環境委で承認された案によると、各メーカーは20年までに乗用車のCO2排出量を走行1キロメートル当たり95グラム、25年までに同68~78グラム以下に削減しなければならない。これは小型モデルが多いフランスやイタリアのメーカーに有利に働くものの、大型モデルが中心のドイツメーカーには高いハードルとなる。ヴィスマン会長は、同規制が公正な競争を阻害し、欧州自動車産業の多様性を損なう恐れがあると指摘。25年の排出量を現時点で制定することを阻止するようメルケル首相に要請した。

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