2013/6/3

産業・貿易

共通漁業政策の改革案で合意、漁獲物の投棄禁止など柱

この記事の要約

EUは5月30日、共通漁業政策(CFP)の改革案で合意した。水産資源の乱獲・浪費による枯渇を回避するため、域内の漁業者がいったん漁獲した漁業資源の投棄を段階的に禁止するほか、漁獲量を持続可能な資源水準まで削減することを目 […]

EUは5月30日、共通漁業政策(CFP)の改革案で合意した。水産資源の乱獲・浪費による枯渇を回避するため、域内の漁業者がいったん漁獲した漁業資源の投棄を段階的に禁止するほか、漁獲量を持続可能な資源水準まで削減することを目指す。

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欧州委員会の調べによると、域内では漁業資源の75%が乱獲されている。改革案は、水産資源を減らすことなく漁獲量を最大化する「最大維持可能漁獲量(MSY)」に基づいて漁獲枠を設定することを求めている。EUは、科学的助言に従って漁獲枠を定めることによって、2020年までに域内の漁業資源が1,650万トン増える可能性があるとしている。また、漁船が漁獲物を水揚げせずに海に投棄する行為は、15年以降原則として禁止となる。ただし、投棄を完全に禁止することは非現実的だとの漁業国の声を受け、欧州委の許可を受けた場合に限り、年間漁獲量の5%までは投棄が許容される。EUでは商業価値がないなどの理由で年間200万トンを超える魚が海に投棄されている。

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改革案は欧州議会と加盟国政府の承認を経て施行される。国連食糧農業機関の調べによると、EUの漁獲量は2010年に中国、インドネシアに次いで世界第3位だった。EUの漁獲量の半分はデンマーク、スペイン、英国およびフランスの4カ国が占めている。

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