2013/6/10

総合 –EUウオッチャー

ラトビアが来年にユーロ導入へ、欧州委が基準達成と認定

この記事の要約

欧州委員会は5日、ラトビアがユーロ導入の条件を満たしていると認定し、同国の2014年1月の導入を認める方針を打ち出した。これによりラトビアのユーロ参加は事実上確定。7月9日のEU財務相理事会でユーロ導入が正式承認される見 […]

欧州委員会は5日、ラトビアがユーロ導入の条件を満たしていると認定し、同国の2014年1月の導入を認める方針を打ち出した。これによりラトビアのユーロ参加は事実上確定。7月9日のEU財務相理事会でユーロ導入が正式承認される見通しだ。中東欧諸国のユーロ参加はスロベニア、スロバキア、エストニア次ぐ4カ国目で、ユーロ圏は18カ国体制に拡大する。

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2004年にEU加盟国となったラトビアは当初、2008年のユーロ導入を目指していたが、インフレ率に関する基準を満たせなかったため断念。さらに、2008年に世界金融危機の影響で不動産バブルが崩壊して経済が大混乱し、景気低迷が深刻化したことから、一時はユーロ導入が遠のいた。しかし、11年にプラス成長に復帰し、14年のユーロ導入を新たな目標に設定。基準達成に取り組んだ結果、今年3月に導入を申請していた。

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ユーロ導入には、前段階となる欧州為替相場メカニズム(ERM2)に最低2年間加わり、自国通貨の対ユーロ標準値の変動率を上下15%以内に抑えることが求められるほか、財政赤字、債務残高、インフレ率、長期金利の4項目で基準を満たす必要がある。

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ラトビアにとって高いハードルとなっていたのは財政赤字とインフレ率。財政赤字は景気後退の影響で、2010年に国内総生産(GDP)比8.1%まで上昇し、上限とされる同3%を大きく上回った。しかし、増税など財政再建に取り組んだ結果、12年にはGDP比1.2%まで縮小。債務残高も12年末時点でGDP比40.7%と、上限の60%を大きく割り込んだ。さらに、インフレ率に関しても、08年5月に17.9%まで上昇したが、今年4月にはマイナス0.4%に縮小。1年間の平均は1.3%と、ユーロ導入に必要な2.7%以下の範囲内に収まった。

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これを受けて欧州委は、ラトビアがすべてのユーロ導入条件を満たしたと認定。14年1月に導入できる環境が整ったと結論付けた。

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