2013/6/24

競争法

航空大手SASへの支援策を調査、国家補助規定違反の疑いで

この記事の要約

欧州委員会は19日、北欧3カ国の政府による航空大手スカンジナビア航空(SAS)に対する経営支援策が、EUの国家補助ルールに抵触している疑いがあるとして調査を開始したと発表した。\ デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの3 […]

欧州委員会は19日、北欧3カ国の政府による航空大手スカンジナビア航空(SAS)に対する経営支援策が、EUの国家補助ルールに抵触している疑いがあるとして調査を開始したと発表した。

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デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの3カ国が出資するSASは、燃料価格の高騰や格安航空会社の台頭などにより業績が悪化。3カ国政府は昨年、同航空に対する経営支援策の一環として、人員削減などの経営再建計画を実施することを条件に、金融機関7行と少数株主であるクヌート・アンド・アリス・ヴァレンベリ財団(KAW)とともに35億クローナ(約4億ユーロ)の回転融資枠(RCF)を設定した。

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EU競争法は、市場の公平な条件を崩して競争を歪める可能性のある国家補助を禁じている。欧州委はSASに対するRCFについて、「市場の条件に基づいて実施されたものか疑問がある」と指摘。また、支援を決定する根拠となったSASの経営再建計画についても、「信頼性に懸念が残る」と、調査に踏み切った理由を説明した。

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調査の結果、国家補助規定違反が認定された場合、SASは受け取った補助の返還を命じられる可能性がある。

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