2013/8/19

産業・貿易

欧州委がWTOにパネル設置要請、鋼管めぐる中国との紛争で

この記事の要約

欧州委員会は16日、中国がEU製の高性能鋼管に反ダンピング(不当廉売)関税を課しているのは不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴している問題で、WTOに紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請したと発表した。これによって […]

欧州委員会は16日、中国がEU製の高性能鋼管に反ダンピング(不当廉売)関税を課しているのは不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴している問題で、WTOに紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請したと発表した。これによって同問題は本格的な通商紛争に発展したことになる。

\

問題となっているのは、発電所などで使われるシームレス(継ぎ目なし)ステンレス鋼管。中国は2011年9月、EU製品に税率9.7~11.1%の反ダンピング関税を課した。EUはこれを不当として、今年6月にWTOに提訴。双方は紛争処理の第一段階として7月中旬に当事者間協議を行ったが、解決に至らなかったことから、欧州委はパネル設置を要請した。

\

欧州委は声明で、EU製シームレス・ステンレス鋼管の中国への輸出は2009年に9,000万ユーロ相当だったが、反ダンピング措置の発動によって年2,000万ユーロまで落ち込んだと主張している。

\

同鋼管をめぐっては、中国は日本製品にも2012年11月に反ダンピング措置を発動。これを不服とした日本政府は12月にWTOに提訴し、すでにパネルが設置されている。

\

中国がEU製品に課した反ダンピング関税をめぐる紛争では、エックス線検査装置への適用が2月にWTOの紛争処理小委員会(パネル)で協定違反と認定された例がある。

\