2013/8/26

環境・通信・その他

トヨタも禁止冷媒の使用継続、プリウス・プラスなど3車種で

この記事の要約

トヨタ自動車のドイツ法人は23日、EUが域内で販売される新車への使用を禁止しているカーエアコン用の冷媒「R134a」について、代替品の安全性が確認されるまでの暫定措置として、規制の対象となる3車種への使用を継続する方針を […]

トヨタ自動車のドイツ法人は23日、EUが域内で販売される新車への使用を禁止しているカーエアコン用の冷媒「R134a」について、代替品の安全性が確認されるまでの暫定措置として、規制の対象となる3車種への使用を継続する方針を明らかにした。新冷媒の採用見送りを表明したのは独ダイムラーに続いてトヨタが2社目。トヨタは代替品「R1234yf」の安全性が100%確認された段階で速やかに新冷媒に切り替えると説明しているが、ダイムラーの高級車メルセデス・ベンツの一部モデルはフランスで新車登録が禁止されたほか、EU全体で同様の措置がとられる可能性も浮上しており、欧州委員会や加盟国の対応が注目される。

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EUでは温暖化防止策の一環として、これまでカーエアコン用冷媒として使われてきたR134aなどなどの代替フロンに代わり、今年1月からから地球温暖化係数(GWP)150以下の冷媒を使用することが義務づけられた。現在のところ基準を満たすのは米ハネウエル・インターナショナルのR1234yfのみで、各メーカーは2011年以降に型式認定を受けたすべてのモデルにこの新冷媒を採用しなければならない。

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しかし、ダイムラーが独自にR1234yfのテストを行ったところ、高温のエンジンルーム内で引火性を持つことが確認されたため、同冷媒の採用を見合わせ、ベンツ「Aクラス」「Bクラス」「CLAクラス」に引き続きR134aを使用している。仏政府はこれに対し、EU基準を満たしていないとして国内での新車登録を禁止。欧州委が仏政府の決定に支持を表明したのに続き、加盟国もEUルールに従わない車両に対する是正措置を検討することで合意している。

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こうしたなか、トヨタ独法人の広報担当はAFP通信に対し、現時点ではR1234yfの安全性について業界内で見解が分かれていると指摘。トヨタが行った社内テストでは特に問題は見つからなかったものの、「顧客が抱くであろうあらゆる懸念を取り除く」ため、「完全に安全性が確認されるまで」新冷媒の使用を見合わせると説明。「プリウス・プラス」「レクサスGS」「GT86」の3車種について、当面はR1 34aを搭載すると述べた。

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一方、R134aを搭載したベンツ車の登録を禁止した仏政府の対応を不服としてダイムラー側が同措置の差し止めを求めている問題で、行政訴訟を扱う最高機関である仏国務院の評定官は23日、今月27日に判断を示す方針を明らかにした。同日行われたヒヤリングでは、EUルールに従わない車両に対し、独自判断で実質的な販売禁止に踏み切った仏政府の対応の妥当性が焦点となったもよう。ダイムラー側の弁護団は記者団に対し、EU域内で事実上の販売禁止を行っている国はフランスだけで、こうした「野蛮な決定」により、同社はフランス市場で危機に立たされていると強調した。

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