2013/9/2

競争法

ニナスのシェル製油施設取得を認可へ

この記事の要約

欧州委員会は近く、スウェーデンの石油精製業者ニナスが石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルから独ハンブルクの製油所にあるベースオイル精製設備を取得する計画を認可するもようだ。ロイター通信が8月29日、事情に詳しい消息筋の […]

欧州委員会は近く、スウェーデンの石油精製業者ニナスが石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルから独ハンブルクの製油所にあるベースオイル精製設備を取得する計画を認可するもようだ。ロイター通信が8月29日、事情に詳しい消息筋の話として報じた。欧州委は条件を付けずに両社の取引を認める方針で、9月6日までに最終的な結論を出すという。

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ニナスはベネズエラ石油公社とフィンランドの石油大手ネステオイルの合弁会社で、工業用潤滑油、金属加工油剤、インク、工業用ゴムなどに使用されるナフテン系ベースオイルの精製を中核とする。同社はシェルの独子会社からハンブルク製油所内の高圧水素化精製設備を取得することで合意し、今年2月に欧州委に認可を申請した。

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欧州委は初期調査の結果、欧州ではニナスとシェル以外にナフテン系ベースオイルの精製を手掛ける事業者がいないため、両社の取引を認めた場合、ニナスが実質的に市場を独占することになり、幅広い製品で価格上昇を引き起こす可能性があると指摘。3月末から本格的な調査を進めている。

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ロイターによると、ニナスは欧州委に対して資産売却などの譲歩案を提示しておらず、「このことは欧州委が条件を付けずにシェルとの取引を認める方針であることの表れだ」との消息筋の発言を引用している。欧州委のコロンバーニ報道官はロイターの問い合わせに対してコメントを拒否している。

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