2013/9/9

総合 –EUウオッチャー

アイルランドが100億ユーロの与信要請へ、支援終了後の信用不安対策で

この記事の要約

債務危機でEUと国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けているアイルランド政府は、支援終了後に信用不安が再燃するのを防ぐため、EUに約100億ユーロの与信を要請する方針だ。ヌーナン財務相がこのほど明らかにした。\ アイル […]

債務危機でEUと国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けているアイルランド政府は、支援終了後に信用不安が再燃するのを防ぐため、EUに約100億ユーロの与信を要請する方針だ。ヌーナン財務相がこのほど明らかにした。

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アイルランドは2010年にEUとIMFから 675億ユーロの金融支援を取り付け、債務危機克服に取り組んできた。その結果、財政再建が順調に進み、指標となる10年物国債の利回りは5%を下回っており、危機脱却に近づいている。

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EUへの与信要請は、金融支援が期限を迎える今年11月以降の信用を保ち、国債市場に完全復帰して自力で資金調達できる環境を整えるのが狙い。ヌーナン財務相が国内有力紙『インデペンデント』に明らかにしたところによると、EUの金融安全網である「欧州安定メカニズム(ESM)」に対して、2014年の財政赤字(予想)に相当する約100億ユーロの与信枠を設定するよう求める方針だ。

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ヌーナン財務相は与信について、あくまでも信用不安の再燃を回避するための予防的措置で、与信枠からの引き出しは想定していないと強調している。

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