2013/9/9

産業・貿易

欧州委がMMF規制強化を提案、シャドーバンキング対策で

この記事の要約

欧州委員会は4日、銀行を介さない金融取引「影の銀行(シャドーバンキング)」に伴うリスク対策の一環として、投資信託の一種であるマネー・マーケット・ファンド(MMF)に対する規制を強化する方針を打ち出した。\ MMFは公社債 […]

欧州委員会は4日、銀行を介さない金融取引「影の銀行(シャドーバンキング)」に伴うリスク対策の一環として、投資信託の一種であるマネー・マーケット・ファンド(MMF)に対する規制を強化する方針を打ち出した。

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MMFは公社債や短期金融資産で運用される投資信託で、金融機関や企業、政府にとっては重要な短期資金調達の手段となっている。欧州のMMF市場の規模は1兆ユーロにのぼっており、同市場で混乱が起これば金融システム全体に影響が出る可能性がある。欧州委は、投資家の資金需要にいつでも応えられるよう、域内で組成・販売されるMMFに対し資産全体の10%以上を各日満期を迎える金融商品、20%を1週間以内に満期を迎える商品でそれぞれ運用するよう義務付けることを提案。また、元本割れを回避するため、事実上の資本として3%の資産を準備することも求めている。

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欧州委のバルニエ委員(域内市場・サービス担当)は、MMFが銀行に近い性質を持ちながら、銀行のような厳しい監督を受けていないことは問題だとの認識を示したうえで、「透明性としっかりとした監督が必要であり、市場参加者が引き受けるリスクに対する予防措置を講じることが必要だ」と説明した。

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欧州委の提案は今後EU加盟国と欧州議会で審議されることになっており、内容の変更も予想される。

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