2013/10/7

総合 –EUウオッチャー

伊議会がレッタ内閣を信任、政権崩壊の危機回避

この記事の要約

イタリアの上下両院で2日、レッタ内閣の信任投票が行われ、信任案が賛成多数で可決された。レッタ首相率いる中道左派・民主党と連立政権を組む中道右派・自由国民との対立をきっかけに実施された信任投票だったが、自由国民から離反者が […]

イタリアの上下両院で2日、レッタ内閣の信任投票が行われ、信任案が賛成多数で可決された。レッタ首相率いる中道左派・民主党と連立政権を組む中道右派・自由国民との対立をきっかけに実施された信任投票だったが、自由国民から離反者が出て、同党を率いるベルルスコーニ元首相が倒閣を断念し、信任に回った。これを受けて政権崩壊の危機は回避された。

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一方、上院委員会は4日、脱税事件で禁固4年の有罪判決が確定したベルルスコーニ元首相の議員資格剥奪を賛成多数で可決。今月中旬に本会議で資格剥奪が正式承認される見込みで、政治生命が事実上絶たれることになる。

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2月の総選挙の結果、上院で過半数を確保した党がなかったことから4月に民主党と自由国民の政権が発足したが、両党は財政緊縮をめぐって立場が違い、ぎくしゃくした関係が続いていた。こうした中、議員資格剥奪の危機に直面しているベルルスコーニ元首相は、民主党が同問題での協力を拒んだことから、先月28日に同党所属の閣僚5人全員の引き揚げを発表。連立離脱を打ち出していた。これを受けてレッタ首相は信任投票実施に踏み切った。

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信任投票では、民主党が過半数に達していない上院で否決される恐れがあった。しかし、自由国民内でアルファノ幹事長(副首相兼内相)ら数十人の議員が反旗を翻し、1日に内閣信任を表明。党の分裂を恐れたベルルスコーニ元首相も投票直前に態度を一変し、内閣支持に回った結果、賛成235、反対70で信任案が可決。民主党が過半数を握る下院でも順当に信任された。

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アルファノ幹事長らは、自らの保身のため倒閣に乗り出したベルルスコーニ元首相の政治手法に嫌気がさし、三行半を突きつけた格好。同幹事長は党内の穏健派を引き連れて離党し、新会派を結成すると報じられている。

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