2013/10/14

競争法

エーゲ航空のオリンピック航空買収を認可

この記事の要約

欧州委員会は9日、ギリシャのエーゲ航空がオリンピック航空を買収する計画を承認したと発表した。ギリシャの国内線はエーゲ航空の独占状態となるが、オリンピック航空は赤字が続いて経営破綻寸前にあり、買収されなければ閉鎖が必至であ […]

欧州委員会は9日、ギリシャのエーゲ航空がオリンピック航空を買収する計画を承認したと発表した。ギリシャの国内線はエーゲ航空の独占状態となるが、オリンピック航空は赤字が続いて経営破綻寸前にあり、買収されなければ閉鎖が必至であることから、計画を認めた。

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恒常的な経営難に陥っているオリンピック航空は2010年にエーゲ航空による買収で合意したが、欧州委は国内線が独占状態となることを問題視し、2011年に買収を阻止した。しかし、ギリシャの債務危機で国内経済が急激に悪化し、国内線の利用者が2009年から12年にかけて26%減少し、オリンピック航空の経営が危機的状況となったことから、両社は昨年10月に7,200万ユーロでの買収で合意し、今年2月に欧州委に買収認可を申請していた。

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欧州委は審査の結果、このままでは近い将来にオリンピック航空が破綻するのは確実で、買収が実現するかどうかにかかわらず国内線が独占状態となると判断。前回の買収に際しては、両社が17路線で重複していたが、オリンピック航空の減便によって現在は7路線の重複にとどまっていることや、エーゲ航空以外にオリンピック航空買収に乗り出す企業がないことも考慮し、買収認可に踏み切った。独占問題よりオリンピック航空の消滅回避を優先した格好だ。

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欧州委の認可によって、買収手続きは月内に完了する見込み。オリンピック航空はエーゲ航空の完全子会社となるが、引き続き独自のブランド名で運航する。

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