2013/10/14

競争法

欧州委、原発に国家補助の例外ルール認めず

この記事の要約

欧州委員会は8日、原子力発電所プロジェクトに対する国家補助規制の例外ルール適用を認めないことを決定した。当初は適用を認める方針だったが、脱原発を進めるドイツやオーストリアの反発を受けて方針を転換した。原発を推進する英仏な […]

欧州委員会は8日、原子力発電所プロジェクトに対する国家補助規制の例外ルール適用を認めないことを決定した。当初は適用を認める方針だったが、脱原発を進めるドイツやオーストリアの反発を受けて方針を転換した。原発を推進する英仏などの加盟国とってこの決定は打撃となりそうだ。

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EU加盟国が企業や業界などに補助金を交付する際には欧州委に通知することが義務付けられているが、この通知義務は国家補助ガイドラインによって一定の条件のもとで免除されている。欧州委は現行規則が今年末で失効するのに伴い規則の見直しを進めているが、環境保護に関する国家補助ガイドラインをめぐっては、原発事業をガイドラインの対象に含めるかどうかが焦点となっていた。英仏やチェコなど原発推進路線をとる加盟国は、原子力エネルギーは環境にやさしい「低炭素技術」に当たると主張し、原発への補助要件緩和を要求。欧州委は7月に作成した草案で、加盟国が原発プロジェクトに直接補助を行うことを容認する方針を示した。これに対し、脱原発を推進するドイツやオーストリアは、原発への国家補助は一定の条件の下で、ケースバイケースで判断されるべきだと反発していた。

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欧州委のコロンバーニ報道官は8日、ストラスブールで開かれた会合でアルムニア副委員長(競争政策担当委員)が原発プロジェクトをガイドラインから除外することを提案し、大多数の委員がこれを支持したことを明らかにした。ただ、同報道官は、これは原発プロジェクトに対する国家補助が違法になることを意味するものではないと強調。「加盟国による国家補助通知は引き続きEU条約のもとで評価され、この分野における基準は欧州委によって決定される」と述べた。新ガイドラインは11月に正式に発表される。

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