伊3位銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)は7日、新たな経営再建策を発表した。公的支援の見返りとしてEUの欧州委員会から求められているもので、人員削減の拡大と増資を柱とする内容。これによって欧州委の承認を取り付けたい考えだ。
\MPSはイタリアなど欧州の信用不安で経営が急速に悪化し、資本不足に陥ったことから、伊政府から今年初めに41億ユーロの公的資金注入を受けて救済された。
\ただ、同支援にはEU競争法に定められた公的支援ルールに基づき、同行が大規模なリストラを実施することが条件となっている。これを受けてMPSは4,600人の削減、400支店の閉鎖、10億ユーロの資本増強などを決めたが、欧州委は7月、リストラが不十分として、見直しを指示していた。
\新たにまとめた経営再建計画では、人員削減を3,400人追加し、計8,000人を2015年までに削減する。増資の規模も25億ユーロに拡大し、2014年末までに実施する。また保有するイタリア国債を段階的に売却し、17年末までに230億ユーロから170億ユーロまで圧縮。この増資と国債売却で調達した資金を使って、14年に30億ユーロの公的資金を返済し、17年までに完済する。
\このほかMPSは、幹部の年俸を50万ユーロ以内に制限し、事務コストを17年までに4億4,000万ユーロ削減する計画も盛り込んだ。一連の措置によって、17年に9億ユーロの純利益を計上できると見込んでいる。
\同行は新計画について、7-9月期決算の発表日である11月14日までに欧州委の承認を取り付けたいとしている。
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