2013/10/28

総合 –EUウオッチャー

銀行破綻処理一元化の年内合意目指す、首脳会議で確認

この記事の要約

EU28カ国は24、25日にブリュッセルで開いた首脳会議で、銀行同盟創設の第2段階となる「単一破綻処理メカニズム(SRM)」の制度設計について、年内の合意を目指す方針を確認した。\ 銀行同盟の第1段階となるユーロ圏の大手 […]

EU28カ国は24、25日にブリュッセルで開いた首脳会議で、銀行同盟創設の第2段階となる「単一破綻処理メカニズム(SRM)」の制度設計について、年内の合意を目指す方針を確認した。

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銀行同盟の第1段階となるユーロ圏の大手銀行の監督を欧州中央銀行(ECB)に一元化する制度の導入は、加盟国が15日に正式決定し、2014年11月に始動することが決まっている。

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次のステップとなるのが、破綻処理を一元化するSRMの創設。これをめぐっては、前段階となる各国が主体となって進める処理手続きに関する共通ルールについて6月に合意した。救済、破綻処理への公的資金投入を抑えるため、株式、債券保有者などにも損失を負担させる「ベイル・イン」と呼ばれる制度の導入や、公的資金注入に備えて各国が専門の基金を創設することなどが柱となっている。

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ただし、これは各国による破綻処理の共通ルールを定めたもので、本丸となるSRMでは処理を各国に委ねず、財源も含めて一元化する。これについては、欧州委が最終決定権を持つことなどをめぐって、ドイツ、英国などが反対し、制度の詳細を詰める作業が難航している。

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首脳会議で採択された議長総括では、域内の金融市場の安定維持のため、銀行同盟実現に向けた努力を強化することを確認。ECBが銀行監督一元化に先立って11月から実施する銀行の資産査定、ストレステストに各国当局が全面的に協力することを求める文言を盛り込んだ。

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破綻処理に関しては、各国が共通ルールに従って処理する制度と専門基金創設の詳細を加盟国が11月末までに最終決定し、欧州議会が関連法案を年内に採択するという目標を設定。最大の焦点となっているSRMについては、選挙を控える欧州議会が4月中旬に解散することから、それまでの正式決定を目指し、加盟国が年内に合意する必要性があることを確認した。

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