2013/10/28

総合 –EUウオッチャー

EBAが銀行資産審査の基準発表、不良債権の定義統一

この記事の要約

欧州銀行監督機構(EBA)は21日、EU域内の銀行に対する次回のストレステスト(健全性審査)に先立って実施する資産審査の基準を発表した。各国でばらつきがある不良債権の定義を統一し、従来より厳しく査定する。これによって銀行 […]

欧州銀行監督機構(EBA)は21日、EU域内の銀行に対する次回のストレステスト(健全性審査)に先立って実施する資産審査の基準を発表した。各国でばらつきがある不良債権の定義を統一し、従来より厳しく査定する。これによって銀行側は多額の資本増強を求められる可能性がある。

\

EBAがこれまで実施してきた銀行のストレステストでは、自己資本比率を中心に健全性を審査してきた。しかし、資本調査だけでは銀行の健全性を総合的かつ的確に判断することはできず、調査結果と銀行が実際に抱えるリスクに大きな乖離(かいり)があるという指摘があり、調査結果に対する市場の信頼性は低かった。

\

こうした反省を踏まえてEBAは、来年に実施する次回のストレステストでは、事前に各行の資産の質を精査し、不良資産に対する引き当てが十分に行われているかなどを徹底的に検証する方針を5月に打ち出していた。

\

過去のストレステストでは、何をもって債権が不良化したと判断するかが曖昧で、各国の基準にばらつきがあり、結果の信用を損なう事態を招いた。次回からは、支払い期限から90日以上経っても返済がない場合に不良債権とみなす。また、貸し手の銀行が債権の不良化による損失を計上するのを避けるため、融資契約を変更して債務を減免する「フォーベアランス」に関して、関連債権の状況を個別に精査しながら不良債権または正常債権に区分し、必要に応じて資本増強を指示することになる。

\

EBAは資産調査を2014年10月末までに完了させる予定。

\