2013/11/11

総合 –EUウオッチャー

S&Pが仏を格下げ、最上級の2段階下に

この記事の要約

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、フランスの長期信用格付けを「AAプラス」から1段階引き下げて「AA」にしたと発表した。政府の財政再建、構造改革を否定的に評価したため。格付け見通 […]

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、フランスの長期信用格付けを「AAプラス」から1段階引き下げて「AA」にしたと発表した。政府の財政再建、構造改革を否定的に評価したため。格付け見通しは「安定的」とし、当面は据え置く方針を示した。

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S&Pはギリシャに端を発した信用不安が深刻化していた2012年1月、フランスの格付けを最上級の「AAA」から1段階下の「AAプラス」に引き下げていた。さらなる格下げについてS&Pは、政府の財政再建に向けた税制、労働市場の改革などが「中期的な成長見通しを持続的に引き上げることはない」と指摘。政府が増税を重ねた結果、さらなる増税の余地がなく、財政再建の柔軟性を欠いていることや、財政支出縮小の努力が足りないことも理由に挙げた。

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大手格付け会社では、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが昨年11月、フランス国債の格付けをS&Pに続いて最上級の「Aaa」から「Aa1」に格下げし、フィッチ・レーティングスも今年7月に最上級から引き下げている。最上級からの2段階格下げはS&Pが初めて。(表参照)

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