2013/11/11

産業・貿易

フェロー諸島がEUをWTO提訴、ニシン漁めぐる制裁に反発

この記事の要約

デンマークの自治領であるフェロー諸島は4日、漁業規制をめぐって対立するEUが同諸島水域で水揚げされたニシン、サバの輸入禁止などの制裁措置を発動したのは不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。\ EUとフェ […]

デンマークの自治領であるフェロー諸島は4日、漁業規制をめぐって対立するEUが同諸島水域で水揚げされたニシン、サバの輸入禁止などの制裁措置を発動したのは不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。

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EUとフェロー諸島、ロシア、ノルウェー、アイスランドは大西洋北東海域のニシン漁について、協議の上で漁獲枠を設定し、今年末まで同合意を順守することを取り決めていた。しかし、フェロー諸島が自国水域におけるニシンの生息数が増加したことを理由に合意を一方的に破棄し、2013年の漁獲枠を12年比で145%引き上げたため、EUが反発。欧州委員会は8月、制裁としてニシン、サバや、それらを使った加工食品の輸入禁止と、フェロー諸島の水域でニシン、サバ漁を行う漁船がEU内に入港することを禁止する措置を発動していた。

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フェロー諸島はEUの制裁発動を「威圧的」と批判。EUは漁業資源の保全を旗印に掲げ、制裁を正当化しているが、実際は域内の漁業者を保護するもので、WTO協定に反すると主張している。

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EUとフェロー諸島はWTOの紛争処理手続きの第一段階として当事者間協議を行うが、60日以内に解決できない場合は紛争処理小委員会(パネル)で本格的に争うことになる。

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