2013/11/11

競争法

ポーランド国営航空への公的支援、欧州委が本格調査

この記事の要約

欧州委員会は6日、経営難に陥っているポーランド国営LOT航空を立て直すため、同国政府が実施する2億ユーロの公的資金注入について、EU競争法に違反する疑いがあるとして、本格的な調査を開始したと発表した。\ ポーランドのフラ […]

欧州委員会は6日、経営難に陥っているポーランド国営LOT航空を立て直すため、同国政府が実施する2億ユーロの公的資金注入について、EU競争法に違反する疑いがあるとして、本格的な調査を開始したと発表した。

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ポーランドのフラッグキャリアであるLOT航空は、格安航空会社に押されて業績が悪化。2008年から赤字が続き、経営破たんの危機に直面している。これを受けて政府は今年、同社の当面の運転資金と合理化費用の一部として、2億ユーロの注入を決定。6月に欧州委に認可を申請していた。

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EU競争法では、経営難の企業に対する公的支援に関して、必要最小限にとどめると同時に、無駄金となるのを防ぐため、長期的な存続を可能にするリストラ計画をまとめることを義務付けている。また、支援によって同業他社との競争で優位に立つことがないようにするため、一部の資産、事業権などの売却も必要となる。

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今回のケースについて欧州委は、同社のリストラ策によって長期的に採算性を保ちながら存続できるかどうかが疑わしいと指摘。このほか、競争面での対応として提示した輸送能力縮小計画が不十分で、LOT航空のリストラ費用負担が少ないといった問題点も挙げた。このため現時点での認可を見送り、さらに詳細な調査を行って支援計画の可否を判断することを決めた。

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