2013/11/11

競争法

ハチソンのテレフォニカ子会社買収、欧州委が本格調査

この記事の要約

欧州委員会は6日、香港の大型複合企業ハチソン・ワンポアがスペイン通信最大手テレフォニカからアイルランドの携帯電話事業を買収する計画について、EU競争法に基づく本格調査を開始したと発表した。予備調査の結果、両社の取引を認め […]

欧州委員会は6日、香港の大型複合企業ハチソン・ワンポアがスペイン通信最大手テレフォニカからアイルランドの携帯電話事業を買収する計画について、EU競争法に基づく本格調査を開始したと発表した。予備調査の結果、両社の取引を認めた場合、アイルランドの携帯電話サービス市場で寡占化が進み、競争が阻害される可能性があると判断した。欧州委は2014年3月24日までに調査結果をまとめ、買収認可の是非を判断する。

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ハチソンは6月、アイルランドの携帯電話サービス部門「3アイルランド」を通じてテレフォニカ傘下の「O2アイルランド」を買収すると発表していた。アイルランドの携帯電話市場で2位につけるO2アイルランドとの統合が実現すると、同4位の3アイルランドのシェアは37.5%に拡大し、最大手のボーダフォンの39.4%に肉薄する。

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欧州委はハチソンとテレフォニカの取引を認めた場合、アイルランドで携帯電話通信網を運営する事業者が4社から3社に減るため市場集中度が高まるうえ、自前で回線や設備を持たない仮想移動体通信事業者(MVNO)にとっても選択肢が狭められると指摘。結果的に料金上昇などにつながる恐れがあるため、さらに詳しい市場分析が必要と説明している。両社の取引が競争阻害につながると判断した場合、ハチソンは周波数の売却などの対応を迫られる可能性がある。

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