2013/11/25

競争法

コンテナ船のカルテル疑惑で正式調査開始、マースクなど対象に=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は22日、複数の海運会社がコンテナ貨物事業で価格カルテルを結んでいる疑いで、正式な調査を開始したと発表した。対象企業の具体名は明らかにしていないが、海運世界最大手のAPモラー・マースク(デンマーク)などが調査を […]

欧州委員会は22日、複数の海運会社がコンテナ貨物事業で価格カルテルを結んでいる疑いで、正式な調査を開始したと発表した。対象企業の具体名は明らかにしていないが、海運世界最大手のAPモラー・マースク(デンマーク)などが調査を受けていることを確認している。

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問題となっているのは、EUと他の地域を結ぶ航路を定期的に運航するコンテナ船を運営する海運会社が、運賃引き上げをウェブサイトや業界紙を通じて予告する慣習。関係各社には、2009年に開始した同行為によって、互いに値上げの幅や実施時期を知らせ合い、一斉に同規模の値上げを行っている疑いが持たれている。欧州委は同慣習を通じた価格調整による値上げが健全な競争を損ない、消費者に打撃を与えている懸念があるとして、制裁に向けた正式調査に踏み切った。

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EU競争法では、価格協定などのカルテル行為を禁止しているが、外航定期貨物船事業については例外的に、各社が「定期船同盟」を結成し、価格や配船、運航スケジュールなどについて協定を結ぶことを容認してきた。しかし、08年10月から同制度が廃止され、禁止対象となっている。欧州委は各社が同制度廃止に伴い、翌年から事前に値上げを公表するシステムに切り替え、引き続き価格カルテルを結んでいたとみている。

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欧州委は同問題について、2011年5月に関係各社への立ち入り調査を実施。APモラー・マースク、独ハパックロイド、仏CMA-CGM、シンガポールのネプチューン・オリエント・ラインズが調査を受けたことを明らかにしていた。

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消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると、正式調査の対象は14社。うちAPモラー・マースク、CMA-CGMが対象に含まれていることを確認している。

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