2013/12/9

産業・貿易

中国製太陽光パネルめぐる和解案、加盟国が承認

この記事の要約

欧州委員会は2日、中国製太陽光パネルのダンピング問題をめぐって中国政府と合意した和解案を加盟国が正式承認したと発表した。これに基づいて、和解案に従わない中国メーカーに限って、6日から最大64.9%の反ダンピング関税を課す […]

欧州委員会は2日、中国製太陽光パネルのダンピング問題をめぐって中国政府と合意した和解案を加盟国が正式承認したと発表した。これに基づいて、和解案に従わない中国メーカーに限って、6日から最大64.9%の反ダンピング関税を課す。

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EUは昨年9月、域内の太陽光パネルメーカーの業界団体「EUプロサン」の要請に応じて、中国製品への反ダンピング調査を開始。その結果、中国メーカーが不当な廉価で製品をEUに輸出し、域内のメーカーに大きな打撃を与えているとして、暫定的な反ダンピング措置の発動を決定。今年6月6日に中国製品に税率11.8%(平均)の反ダンピング税を課した。

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7月に合意した和解案は、中国の太陽光パネルメーカーがEUへの輸出に最低価格と上限を設け、価格を引き上げる代わりに、EUは反ダンピング税の適用を中止するという内容。欧州委は詳細を公表していないが、最低価格は1ワット当たり56ユーロ、年間輸入量の上限は7ギガワットと報じられている。

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EUは同合意を受け入れる中国メーカーの製品について、8月6日に暫定的な反ダンピング措置の適用を中止していた。順守しないメーカーについては、6日付で税率27.3~64.9%の正式な反ダンピング関税を課す。適用期間は2年間。EUは通常、反ダンピング措置を5年間適用するが、中国が歩み寄ったことを考慮し、期間を半分以下に抑える。

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一方、欧州委は8月末、反ダンピング問題と並行して進めていた反補助金調査で、中国の太陽光パネルメーカーが政府から不当な公的補助を受けていると認定したが、反補助金関税の適用は見送ってきた。加盟国は今回、和解案を順守する企業には同関税を課さず、受け入れないメーカーに税率3.5~11.5%の正式な反補助金関税を課すことを決めた。反ダンピング関税と同じく、6日から2年間にわたって適用する。

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欧州委によると、大部分の中国メーカーが和解案受け入れを表明しており、中国がEUに輸出する太陽光パネルのうち約75%が反ダンピング、補助金関税の対象外になるという。

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