2014/2/3

総合 –EUウオッチャー

1月のユーロ圏インフレ率0.7%に縮小、デフレ懸念が再燃

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが1月31日発表した同月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比0.7%となり、前月の0.8%から0.1ポイント縮小した。インフレ率の低下は2カ月連続。10月に記録した2009年11月以来4年 […]

EU統計局ユーロスタットが1月31日発表した同月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比0.7%となり、前月の0.8%から0.1ポイント縮小した。インフレ率の低下は2カ月連続。10月に記録した2009年11月以来4年ぶり低水準に並び、一時は後退していたデフレ懸念が再燃してきた。

市場は同月のインフレ率が0.9%に上昇するとの見方が多かったが、前月に横ばいだったエネルギーがマイナス1.2%に転じ、予想に反して低下した。工業製品も0.2%と、前月を0.1ポイント下回った。価格変動が激しいエネルギー、食品、アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は0.8%で、前月から0.1ポイント上昇した。

ユーロ圏のインフレ率は、欧州中央銀行(ECB)が上限目標値とする2%を大きく下回っている。ECBのドラギ総裁は1月の定例政策理事会後の記者会見でデフレの恐れはないと発言したが、ギリシャ、キプロス、ラトビアでマイナスとなっており、国際通貨基金(IMF)のラガルデ専務理事はデフレに陥る懸念があると警告している。市場ではデフレ懸念の再燃を受けて、ECBが早ければ6日の定例政策理事会で追加利下げに踏み切るとの見方も出ている。