2014/2/24

総合 –EUウオッチャー

キプロス、資本規制を緩和

この記事の要約

キプロス政府は21日、金融危機を受けて実施している資本規制の緩和を発表した。国内銀行の定期預金が満期になっても引き出しを制限する規制を撤廃する。また、国内銀行間の資金移動の上限を個人で月1万5,000ユーロから2万ユーロ […]

キプロス政府は21日、金融危機を受けて実施している資本規制の緩和を発表した。国内銀行の定期預金が満期になっても引き出しを制限する規制を撤廃する。また、国内銀行間の資金移動の上限を個人で月1万5,000ユーロから2万ユーロ、法人で7万5,000ユーロから10万ユーロに引き上げる。

金融・債務危機に直面するキプロス政府は昨年3月、EUと国際通貨基金(IMF)から最大100億ユーロの金融支援を取り付けたが、条件として銀行の再編、大手銀行の預金者に一定の負担を強いることを求められたため、取り付け騒ぎが起きる恐れがあるとして資本規制を導入。危機が沈静化したことから、段階的に緩和している。

今回の追加緩和実施後も、◇個人の1日当たりの預金引き出しを最大300ユーロに制限◇旅行者が一度に国外に持ち出せる額を3,000ユーロに制限◇小切手の現金化禁止――の措置は継続する。

キプロス中央銀行のデメトリアデス総裁は先ごろ、状況が引き続き改善すれば、年内に資本規制を全面解除できるとの見通しを示した。