2014/2/24

環境・通信・その他

欧州委が英政府を提訴へ、大気汚染規制違反で

この記事の要約

欧州委員会は20日、英国がEUの大気汚染防止に関する指令のうち、二酸化窒素(NO2)について規制を順守しておらず、改善の目途も立っていないとして、法的手続きに着手したと発表した。英政府が2カ月以内に十分な対応策をまとめな […]

欧州委員会は20日、英国がEUの大気汚染防止に関する指令のうち、二酸化窒素(NO2)について規制を順守しておらず、改善の目途も立っていないとして、法的手続きに着手したと発表した。英政府が2カ月以内に十分な対応策をまとめなければ、欧州司法裁判所に提訴する。

EUは2008年に採択された「環境大気質に関する新指令」で、NO2や窒素酸化物(NOx)、二酸化硫黄(SO2)、粒子状物質(PM10)、一酸化炭素(CO)など、人体に悪影響をもたらす大気汚染物質の制限値を設定し、各国当局に順守を義務づけている。このうち車両などが主な排出源であるNO2に関しては、2010年1月が達成期限となっていたが、英国は43地域のうちロンドン、マンチェスター、バーミンガム、グラスゴーなど40地域で大気中のNO2濃度が制限値を超え、順守できなかった。

同指令では、NO2規制を期限内に遵守できなかった国が、有効かつ実行可能な改善計画をまとめた場合は、達成期限の5年延長を認める規定がある。しかし、英国政府は改善策を提出しておらず、基準達成が多くの地域で2020年、ロンドンでは25年までずれ込む見通しであることから、欧州委は法的手続きに入った。

環境大気質に関する新指令の違反をめぐっては、欧州委は順守期限が早いPM10について17カ国に法的手続きを発動しているが、NO2での同措置は初めてとなる。