2014/3/3

総合 –EUウオッチャー

ユンケル氏、次期欧州委員長に立候補

この記事の要約

欧州議会の最大会派である欧州人民党(EPP)は2月27日、ルクセンブルクのユンケル前首相が同会派の次期欧州委員長候補として出馬したことを明らかにした。EPPは3月の総会で委員長候補を指名することになっている。 EUの内閣 […]

欧州議会の最大会派である欧州人民党(EPP)は2月27日、ルクセンブルクのユンケル前首相が同会派の次期欧州委員長候補として出馬したことを明らかにした。EPPは3月の総会で委員長候補を指名することになっている。

EUの内閣に当たる欧州委員会の委員長は、欧州理事会(EU首脳会議)が決定し、欧州議会の承認によって決まる。しかし、2009年に発効したEUの新基本条約「リスボン条約」によって、理事会は人選で欧州議会選挙の結果を考慮することになったため、議会の各会派が候補を擁立し、5月22~25日に実施される選挙を迎えることになっている。

次期の欧州委員長は、11月に任期満了となるバローゾ委員長の後任となる。EPPではラトビアのドムブロフスキス前首相が立候補済み。バルニエ欧州委員(域内市場・サービス担当)の立候補も予想されている。EPPは3月6~7日にダブリンで開く総会で候補者を決定する。

1995~2013年にルクセンブルクの首相だったユンケル氏は、2005年から8年間にわたってユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の議長も務め、ユーロ圏の債務危機対応で重要な役割を果たすなど実績は十分。EPPに属するドイツのキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)の支持も得ており、同会派の最有力候補とされる。

欧州議会の他の主要会派では、第2会派である欧州社会党グループ(中道左派)が欧州議会のシュルツ議長、第3会派の欧州自由民主同盟グループ(ALDE)がベルギーのフェルホフスタット元首相を候補に指名している。