2014/3/3

産業・貿易

欧州議会、たばこ規制改正案を承認

この記事の要約

欧州議会は2月26日、「たばこ製品の製造・広告・販売に関する指令」の改正案を賛成多数で承認した。香り付きたばこの販売禁止や電子たばこの規制を通じ、EU全体で喫煙による健康被害の防止に向けた取り組みを強化する。同改正案は加 […]

欧州議会は2月26日、「たばこ製品の製造・広告・販売に関する指令」の改正案を賛成多数で承認した。香り付きたばこの販売禁止や電子たばこの規制を通じ、EU全体で喫煙による健康被害の防止に向けた取り組みを強化する。同改正案は加盟国による承認を経て2016年から施行される。

新規制ではたばこにメントール、バニラ、フルーツなどの香りを付けたり、依存性や毒性を高める添加物を使用することが禁止される。たばこ本来の味や香りを残すことで若者の喫煙開始を抑制するのが狙い。ただ、メントールたばこについては、2020年まで販売が認められる。また、健康被害に関する警告表示がたばこのパッケージの両面でそれぞれ65%を占めるよう義務付けられる。

今回の法改正では、電子たばこに対する規制が導入された。電子たばこは治療または予防の効能をうたう場合を除いて通常のたばこ製品として扱い、薬局以外での販売が認められる。ただ、ニコチンリキッドのニコチン含有量の上限は1ミリリットル当たり20ミリグラム、使い捨てカートリッジの容量は2ミリリットルまでと定められた。また、ニコチン以外の薬物摂取に使われたり、子どもが誤飲したりする可能性が指摘されている詰め替え可能なカートリッジについては、欧州委員会が指令施行後2年後までに公衆衛生に対する潜在的リスクに関する報告書を作成。3カ国以上が特定のカートリッジを禁止した場合、欧州委は欧州議会や加盟各国の承認を得ずにこれをEU全体に適用できる。改正案にはこのほか、国境を越えた売買の制限や、「スヌース」と呼ばれる噛みたばこの販売禁止の継続(スウェーデンは適用除外)も盛り込まれている。

欧州委によると、EUではこれまでに導入された一連の規制の効果で、喫煙率は02年の40%(EU15カ国)から昨年は28%(EU27カ国)に低下したが、喫煙に起因する病気による死亡者は年間に約70万人にのぼっている。