2014/3/10

産業・貿易

S&Pが欧州銀の格下げ検討、破綻処理一元化で

この記事の要約

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4日、EUが計画しているユーロ圏の銀行の破綻処理一元化に伴い、欧州主要銀行の格下げを検討していることを明らかにした。破綻した銀行の救済に際して、債権者 […]

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4日、EUが計画しているユーロ圏の銀行の破綻処理一元化に伴い、欧州主要銀行の格下げを検討していることを明らかにした。破綻した銀行の救済に際して、債権者に負担を迫るシステムが導入されることから、信用力の低下が避けられないとしている。

破綻処理を一元化する「単一破綻処理メカニズム(SRM)」制度では、破綻した銀行の処理を納税者に負担させないようにするため、銀行が拠出する「単一破綻処理基金」を活用するが、それに先立って当該銀行の債権者に負担を迫る「ベイル・イン」と呼ばれるシステムが導入される。このため、破綻処理の枠組みは強化されるものの、債権者にとってはリスクが高まることになる。

S&Pは、4月末までに実施する格付け見直しで、一部の銀行の格付け見通しを引き下げた上で、最終的に1~2段階の格下げを決める可能性があるとしている。