2014/3/10

産業・貿易

キプロスの民営化法案が可決、EUなどの追加融資確保へ

この記事の要約

キプロス議会は4日、金融・債務危機を乗り切るために受けた国際金融支援の見返りとして求められている国営企業民営化の法案を可決した。これによってEUと国際通貨基金(IMF)から次回融資を受けるめどが立った。 経済的な結びつき […]

キプロス議会は4日、金融・債務危機を乗り切るために受けた国際金融支援の見返りとして求められている国営企業民営化の法案を可決した。これによってEUと国際通貨基金(IMF)から次回融資を受けるめどが立った。

経済的な結びつきが強いギリシャの信用不安の余波で金融・債務危機に陥ったキプロスは、昨年3月にEUとIMFから総額100億ユーロの緊急金融支援を取り付けた際、条件のひとつとして、2018年までに国有資産売却によって14億ユーロを調達し、債務削減に充てることを約束。3月5日までに関連法案を可決することを求められていた。

政府がまとめた法案は、国営の電力、通信、港湾管理の3社を統合して株式会社とし、海外の戦略的投資家に売却するという内容。これをめぐっては、労組が激しく反発しており、議会で2月27日に行われた採決では、左派政党などが反対に回って否決された。

2億3,600万ユーロに上る次回融資が実行されなければデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある政府は、反対派を懐柔するため、3社の従業員の民営化後の雇用を保証する改正案をまとめ、反対していた中道左派の支持を取り付けた結果、4日の2回目の採決で賛成30、反対26の僅差で法案が可決された。これを受けて、次回融資は今月中に実施される見込みだ。