2014/3/17

環境・通信・その他

環境アセス義務化、シェールガスは除外

この記事の要約

欧州議会は12日の本会議で、環境影響評価指令の改正案を賛成多数で可決した。資源開発やインフラ整備に関わる事業者に対し、生物多様性や気候変動への影響に配慮した環境アセスメントの実施を義務付ける内容。水圧破砕法による環境汚染 […]

欧州議会は12日の本会議で、環境影響評価指令の改正案を賛成多数で可決した。資源開発やインフラ整備に関わる事業者に対し、生物多様性や気候変動への影響に配慮した環境アセスメントの実施を義務付ける内容。水圧破砕法による環境汚染の懸念が指摘されているシェールガスは、開発を推進する一部加盟国の反対により規制対象から外れた。

地下2,000~3,000メートルの岩盤層に含まれるシェールガスは、水圧破砕(フラッキング)による採掘法が確立したことで米国を中心に生産が本格化し、世界のエネルギー需給構造に影響を及ぼし始めている。しかし、岩盤に大量の水と化学薬品を高圧で注入して亀裂をつくり、そこからガスを回収する水圧破砕法をめぐっては、地中にメタンが漏出して土壌や地下水を汚染する危険性などが指摘され、環境面の懸念が高まっている。

環境影響評価指令の改正案には当初、シェールガス開発も規制の対象に含まれることになっていた。しかし、ポーランドや英国などシェールガスを積極的に推進する加盟国が開発に支障が出るとして強硬に反対したため、規制対象から除外された。改正案は理事会の承認を経て近く成立する見通し。

今回の改正案は資源開発業界から概ね好意的に受け入れられている。国際石油・天然ガス生産者協会のフェスターEU問題担当理事は、「新しいルールは石油ガスの上流産業に不必要な義務を科すことなく、シェールガスを含む資源開発を保証するものだ」と評価するコメントを発表した。