欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/3

EUその他

EUの温効ガス排出、13年は1.8%減

この記事の要約

欧州環境庁(EEA)が10月28日公表したレポートによると、EU域内における2013年の温室効果ガス排出量は前年比で1.8%減少した。基準年である1990年比では19.3%減となり、EUが公約している20年までに温室効果 […]

欧州環境庁(EEA)が10月28日公表したレポートによると、EU域内における2013年の温室効果ガス排出量は前年比で1.8%減少した。基準年である1990年比では19.3%減となり、EUが公約している20年までに温室効果ガスを少なくとも20%削減するという目標を前倒しで達成できることがほぼ確実となった。

EEAは、13年は暖冬や景気減速の影響でエネルギー需要が減少したことや、一部の加盟国で再生可能エネルギー利用が進んだことにより、温室効果ガスの排出量が減少したと説明。さらに、新車の排ガス規制やFガス規制の導入など長期的な効果を持つ政策も排出削減に貢献しているとし、「加盟国が計画している取り組みの水準が20年まで維持されれば、排出の削減幅は目標を上回る24%に達する可能性がある」と述べた。

EUは20年までに温室効果ガスの削減のほか、再生可能エネルギーの利用比率を20%に拡大することと、エネルギー効率を20%改善することを目標に掲げている。EEAによると、再生可能エネルギーの利用比率は12年時点で14.1%に達し、13%とした中間目標を上回った。また、エネルギー効率についても、05~12年の一次エネルギー消費量は年平均1.1%の割合で減少しており、目標達成に必要とされる水準を0.2ポイント上回っている。

加盟国別の状況を見ると、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、ギリシャ、ハンガリー、ルーマニア、スロバキア、英国の9カ国が、3つの目標すべてを期限までに達成できる見通しという。