欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/3

EUその他

ラファージュとホルシム、欧州委に合併認可を申請

この記事の要約

セメント大手の仏ラファージュとスイスのホルシムは10月28日、合併計画の認可を欧州委員会に正式申請したと発表した。欧州委は12月15日までに初期審査を行い、競争上の問題がなければ合併を認可する。問題があると判断した場合は […]

セメント大手の仏ラファージュとスイスのホルシムは10月28日、合併計画の認可を欧州委員会に正式申請したと発表した。欧州委は12月15日までに初期審査を行い、競争上の問題がなければ合併を認可する。問題があると判断した場合は、本格的な調査を実施し、合併の可否を最終判断することになる。

セメント販売で世界1位のホルシムと2位ラファージュは4月、合併で合意した。新会社「ラファージュホルシム」は売上高が約400億ユーロに上る巨大セメント会社となる。

両社の合併計画は、これまでにロシア、ウクライナ、トルコ、南アフリカ、モロッコ、シンガポールの当局が承認済み。最大の難関となるEUでの認可に関しては、競争上の問題が多く、資産売却などについて欧州委と事前折衝を行う必要があったため、申請を見送っていた。

ホルシムとラファージュは7月、欧州委の合併認可に向けて、フランス、ドイツ、英国、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、セルビアの生産拠点を売却する方針を打ち出していた。両社が28日の共同記者会見で明らかにしたところによると、欧州委に提出した申請書には、ホルスムがスロバキアに持つ生産拠点の売却を追加した。その代わりに、売却の予定だったラファージュのオーストリア工場は保持する。

手放す予定の資産の総額は明示していないが、ラファージュのラフォン最高経営責任者(CEO)によると両社の年間売上高の約12%に相当する規模になるという。