メルセデスがハンガリー工場に10億ユーロ投資、次世代BEVモデル生産に向け

独高級車大手メルセデスベンツがハンガリー中部にあるケチケメート工場の生産能力増強に4,000億フォリント(約10億ユーロ超)を投資する。電気自動車(BEV)専用の次世代プラットフォームを用いた車両生産に向けたもの。シーヤールト外務貿易相によると、生産インフラの改善と雇用創出に貢献するプロジェクトとして公的助成金140億フォリント(3,500万ユーロ)を供与する。また、新たに設ける従業員養成プログラムも助成する。

ケチケメート工場は2008年に操業を開始し、従業員は現在約4,700人。今回の拡張プロジェクトは現地子会社の2022-26年事業計画の一環で行われる。24年にエントリーレベルのBEVモデル向けプラットフォーム「MMA」、25年には上位モデル向けの「MB.EA」を採用するモデルの生産を開始する。組立ライン、車体製造ラインを増設するほか、表面加工・塗装工程を100%再生可能エネルギーに切り替える計画だ。生産品目に次世代の主力BEVモデルが加わることから、全社生産拠点の中での同工場の重要性が高まる。

ハンガリーの自動車産業は近年急成長し、15万5,000人の雇用と輸出比率90%で経済成長の重要なけん引役となっている。シーヤールト外務貿易相によると、生産高は2010年の3兆6,000億フォリント(90億ユーロ)から21年には9兆4,000億フォリント(235億ユーロ)に大きく伸び、今年1~5月期も4兆5,000億フォリント(112億ユーロ)と堅調な展開だ。

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