水・廃棄物処理大手の仏ヴェオリアは8日、買収した仏同業スエズが英国で展開する廃棄物処理事業を豪マッコーリー・グループ子会社のマッコーリー・アセット・マネジメントに売却すると発表した。英競争当局がスエズ買収に競争上の問題で難色を示していたことに対応するもので、売却額は24億ポンド(約3,800億円)に上る。
ヴェオリアは21年4月、スエズを約130億ユーロで買収することで合意した。19世紀からライバル関係にある両社の統合で、売上高が約370億ユーロに上る環境サービス分野で世界有数の巨大企業が誕生した。
同買収を巡っては、EUの欧州委員会が21年12月14日、スエズがフランスで展開する都市水道管理、廃棄物処理事業のほぼすべてや、ヴェオリアの仏国内の工業用水管理事業の大半などを手放すことを条件に買収を承認した経緯がある。英当局の要求で、さらに事業を売却することになる。