チェコのフィアラ首相は17日、エネルギー価格高騰による家計負担を軽減させるため、光熱費への公的支援を行うことを明らかにした。水道・ガス・電力料金が収入の30%(プラハは35%)を超えた場合、差額を全て助成する。助成予算として、今年から来年にかけての暖房シーズンに総額660億コルナ(約27億3,000万ドル)を充てる。電力価格に含まれる再生可能エネルギー上乗せ料金の徴収も止める。
チェコのインフレ率はエネルギー価格高騰などで、今年7月、30年来の最高率となる17.5%をつけた。当初の財政計画では今年の国内総生産(GDP)に占める財政赤字率は4.5%だったが、7月に入り赤字額が20億ユーロ増え、財政赤字率が約0.7%拡大することが分かった。歳出増を補うため、政府は来年、エネルギー企業と銀行を対象に臨時課税を行うことを検討しているもようだ。
チェコは天然ガスの調達をほぼ100%ロシアに依存してきたが、現在、需要の3分の1相当をオランダの液化天然ガス(LNG)ターミナルから調達できるようにした。国内のガス貯蔵量はまだ80%以上あるが、ロシアからの調達が完全に停止することへの懸念は大きい。電力・ガス料金の契約切り替え時期が近づき、消費者にとって光熱費の高騰はより深刻な問題となる。