森林開拓地での生産品の販売規制法案、欧州議会が可決

欧州議会は13日の本会議で、世界中の森林開拓地で生産された農産物、木材などのEU域内での販売を厳しく制限する法案を賛成多数で可決した。事業者に対して、扱う製品が違法伐採などによって開発された農地で生産されたものでないことの確認を義務付けるのが柱。欧州委員会が提示した原案より厳しい内容となっている。

欧州委は2021年11月、森林破壊を防止するため、EU域内で事業展開する企業に対して、販売する製品が森林伐採と無関係であることを立証するデューデリジェンス(適正評価手続き)の実施を義務付ける法案を発表していた。

原案で対象となっているのは大豆、牛肉、パーム油、木材製品、カカオ、コーヒーの6品目と、皮革、チョコレート、家具などの派生製品。2020年12月31日以降に開拓された農地で生産された場合は域内での販売を禁止するという内容だった。

欧州議会の修正案では、対象品目に豚肉、羊肉、ヤギ肉、鶏肉、とうもろこし、ゴム、木炭製品、紙製品が追加された。また、欧州委案より1年前倒しとなる19年21月31日以降の開拓地に適用することを決めた。

このほか、事業者に森林伐採だけでなく、対象製品が人権に関する国際法や先住民族の権利を尊重していることの確認も求める。法案は欧州議会で大幅に修正されたため、EU加盟国との調整が必要となる。

欧州議会は1990年から2020年にかけて、世界中でEUの面積を上回る約4億2,000万ヘクタールの森林が消失したという国連食糧農業機関(FAO)のデータを引用し、規制強化の必要性を強調している。

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