デンマークで年内にミンク飼育禁止措置解除、コロナ禍経てミンク毛皮の生産再開へ

デンマーク政府は23日、ペット以外のミンクの飼育を禁止する規制が年内で期限切れとなるのに伴い、2023年1月から家畜としてのミンクの飼育を認めると発表した。これによりミンク毛皮の生産が再開されるが、新型コロナウイルス感染拡大で規制が導入される以前と比べ、生産量は大幅に制限される。

デンマーク政府は20年11月、新型コロナの変異ウイルスが家畜のミンクから人に感染したケースが10例以上確認されたことを受け、国内の農場で飼育されている全てのミンクの殺処分を命じた。しかし、その後の検証で命令に法的根拠がないことが発覚したため、政府は約1週間後に命令を撤回し、代わりに21年末までの期限付きで家畜としてのミンクの飼育を禁止する規制を導入。その後、22年12月末に期限が延長された。

環境食糧省によると、保険当局は「ミンクの生産量を大幅に減らすとともに、適切な感染対策を講じることで、公衆衛生へのリスクを減らすことができる」と判断した。具体的な生産量や、農場ごとに飼育頭数に上限が設けられるかなど、詳細は明らかにされていない。

デンマークは世界有数のミンク毛皮の生産国で、コロナ禍以前は国内で最大1,700万匹のミンクが飼育されていた。国内1,500の飼育業者が加盟する共同組合「コペンハーゲン・ファー」は、世界のミンク生産の約40%を占めており、大部分が中国本土と香港に輸出されている。

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