世界保健機関(WHO)と欧州疾病予防管理センター(ECDC)は12日、欧州で新型コロナウイルスの新規感染者が増加傾向にあり、新たな流行の波が始まった可能性があると警告した。
WHOのクルーゲ欧州地域事務局長とECDCのアモン部長は共同声明で「残念ながら欧州で再び新感染者が増加しており、新たな波が始まっていることを示唆している。1年前と同じ状況ではないが、新型コロナの世界的流行が収まっていないことは明らかだ」と指摘した。
WHOの地域別データによると、10月2日までの1週間に欧州では新規感染者数が前週と比べて8%増を記録。他の地域が減少傾向をたどる中で唯一、前の週を上回った。
WHOとECDCは、ワクチンを接種した場合の副反応に対する警戒感や、接種可能なワクチンに関する情報の混乱などが追加接種が進まない要因になっていると分析。気温や湿度の低下に伴い、今後は新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行の恐れがあると警告し、医療従事者、高齢者、妊婦、基礎疾患がある人などに対し、速やかに両方のワクチンを接種するよう促した。