ユーロ圏鉱工業生産、9月は0.9%上昇

EU統計局ユーロスタットが14日に発表したユーロ圏の9月の鉱工業生産指数(季節調整済み、速報値)は前月比0.9%の上昇となった。プラスとなるのは2カ月連続。前月の上昇率は速報値で1.5%だったが、2.0%に上方修正された。(表参照)

分野別ではエネルギーが1.1%、中間財と耐久消費財の幅で0.9%低下したが、資本財が1.5%、非耐久消費財が3.6%の上昇となった。

EU27カ国ベースの鉱工業生産指数も0.9%上昇。主要国はドイツが0.8%上昇し、3カ月ぶりに伸びた。イタリアは1.8%、フランスは0.7%、スペインは0.4%の低下だった。

前年同月比ではユーロ圏が4.9%、EUが5.7%の上昇となり、伸び率はそれぞれ前月の2.8%、3.8%から拡大した。

上げ幅は市場の予想を上回る水準。ユーロ圏の景気はロシアのウクライナ侵攻に伴う物価高などの影響で悪化し、7~9月期の域内総生産(GDP)は前期比0.2%増と、上げ幅は前期の0.8%から大幅に縮小した。エコノミストらの間では、鉱工業の9月の鉱工業の堅調について、事業者がエネルギー危機の深刻化が予想される冬季を前に、生産を前倒しした結果との見方も出ている。

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