欧州半導体法案、EU加盟国が合意

EU加盟国は23日の大使級会合で、域内での半導体の研究・開発や生産を推進するための「欧州半導体法案」について合意した。12月1日の閣僚理事会で正式承認する予定。その後は欧州議会で審議される。

欧州委員会が2月に発表した欧州半導体法案は、2030年までに官民で430億ユーロを投じ、開発拠点や生産設備の増強を後押しするほか、有力メーカーの誘致にも力を入れ、東アジアなど域外への依存度を下げて安定供給を確保する。世界の半導体生産に占めるEUのシェアを30年までに20%以上に引き上げるという目標を掲げている。

今回の会合では、欧州委案に修正が加えられた。各国による補助金交付は革新的な半導体に限ることになっていたが、幅広い半導体も対象になるようにする。

また、原案では安定供給に向けた危機対応として、欧州委がサプライチェーンを監視し、深刻な供給不足に陥った際は事業者に増産やEU域内への供給を優先するよう命じる権限を認めていたが、権限発動の条件を厳しくした。

このほか、財源としてEUの研究開発基金を活用する点を巡り、すでに半導体の製造拠点がある国だけが恩恵を受けるとして一部の加盟国が難色を示したことから見直しで合意。欧州委は他の財源を確保することを求められる。

上部へスクロール