イランへの追加制裁で合意、デモ弾圧と対露ドローン供与で

EUは12日、ブリュッセルで外相理事会を開き、反政府デモに対する弾圧姿勢を強めるイランに追加制裁を科すことで合意した。女性の髪の毛を隠す「ヒジャブ」をめぐる抗議デモへの弾圧や、ウクライナ侵攻を続けるロシアへのドローン(無人機)供与に関わった個人と団体を制裁リストに加える。

デモ弾圧による人権侵害は個人20人と1団体、ロシアへのドローン供与では個人4人と4団体が制裁の対象となり、EU内の資産凍結やEU域内への渡航禁止などの措置がとられる。

外相理は声明で「イラン当局が女性や子供を含む平和的なデモ参加者に対して広範かつ残忍に武力を行使し、数百人の命が失われたことを強く非難する」と表明。ロシアへのドローン供与については「イランが提供したドローンがウクライナの民間人やインフラに対する無差別攻撃に使用され、恐ろしい破壊と人的被害をもたらしている」と非難した。

ボレル外交安全保障上級代表は会議後の記者会見で、イラン司法当局が12日、デモ参加者の1人を絞首刑にしたと発表したことに触れ、「抗議者を弾圧する手段として死刑を執行することは容認できない。平和的なデモの参加者を支援するため、EUとしてできる限りの行動をとる」と表明した。

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