欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/10

EUその他

エボラ熱ワクチン開発などに2.8億ユーロ、EUが製薬業界と共同で拠出

この記事の要約

欧州委員会は6日、エボラ出血熱のワクチンや薬、診断検査の開発のため、製薬業界と共同で2億8,000万ユーロを投じる計画を発表した。EUは先月の首脳会議でエボラ出血熱対策として10億ユーロを拠出する方針で合意しているが、こ […]

欧州委員会は6日、エボラ出血熱のワクチンや薬、診断検査の開発のため、製薬業界と共同で2億8,000万ユーロを投じる計画を発表した。EUは先月の首脳会議でエボラ出血熱対策として10億ユーロを拠出する方針で合意しているが、これに上乗せする形で感染拡大防止に努める。

EUは研究開発・イノベーション促進のための基本計画「ホライズン2020」から1億4,000万ユーロを、残り1億4,000万ユーロを欧州製薬団体連合会(EFPIA)の加盟企業がそれぞれ拠出。欧州委とEFPIAが共同で推進する医薬品研究開発官民パートナーシップ(PPP)「革新的医薬品イニシアチブ(IMI)」が、新型ワクチンの大規模な臨床実験、早期診断法やワクチンの製造・流通の新たな手法の開発などに関する案件を募集する。

欧州委のモエダス委員(研究・科学・イノベーション担当)は、「EUはエボラ出血熱問題の解決法発見を支援することを決意している。我々は言葉だけでなく実際に行動し、エボラ研究に2億8,000万ユーロを拠出する。ホライズン2020と製薬業界のパートナーが拠出する資金によって、世界中で人命を救うためのワクチンと治療法の開発を強化する」と語った。

EUは先月24日の首脳会議でエボラ出血熱を「欧州の安全への脅威」と断定、感染拡大防止策を強化している。6日には9カ国の加盟国とユニセフから提供された救急車や移動式病院、研究室などを搭載したオランダの船舶が、エボラが流行している西アフリカに向けて出航した。