ドイツ連邦統計局が13日発表した2022年の国内総生産(GDP)は、物価調整後の実質ベースで前年比1.9%増だった。上げ幅は前年の2.6%を下回ったものの、ルト・ブラント局長はロシアのウクライナ侵攻、エネルギー価格の高騰、高インフレ、サプライチェーンのひっ迫、専門人材不足など難しい状況下で堅調を保ったとの見方を示した。GDPは19年実績に比べても0.7%高い水準にあり、コロナ禍に伴う落ち込みは完全に相殺された格好だ。
GDPを強く押し上げたのは個人消費で、前年を4.6%上回った。新型コロナウイルスの感染防止規制が大幅に緩和された効果で、これまで抑制されていた旅行や飲食店の利用が急回復したことが大きい。
政府最終消費支出は1.1%増となり、上昇率は前年(3.8%)に比べ鈍化した。コロナ対策費が減少したことが背景にある。ただ、ウクライナ難民が大量に流入したことから、同支出は差し引きで拡大した。
建設投資は1.6%減少した。建材不足と価格高騰、金利の上昇、人材不足が響いた格好だ。設備投資は2.5%増となり、2年連続で拡大した。
輸出は3.2%増加したものの、伸び率は前月の9.7%から縮小。輸入も9.0%から6.7%に鈍化した。輸出成長率が輸入を下回ったことから、外需(輸出-輸入)はGDP成長率を1.3ポイント押し下げた。