スウェーデンが原発増設、法案提出へ

スウェーデンのクリステション首相は11日、国内で原子力発電所を増設する法案を準備していることを明らかにした。電力を安定的に供給する体制の強化が目的で、原発の数を規制する現行法を改正し、どこにでも新設できるようにする。2024年3月の新法令施行を目指す。

同国ではフォルスマルク、オスカーシャム、リングハルスの3カ所で計10基の原発が稼働している。一時は現在の2倍に上ったが、福島第一原子力発電所の事故を受けて段階的に閉鎖を進めてきた。

スウェーデンは国内の原発、水力発電所が主要電源で、他の欧州諸国と比べてロシアへのエネルギー依存は低い。それでも、電力価格がロシアのウクライナ侵攻を機に急変動していることから、原発を増設してエネルギー安全保障を強化する。

現行法では原発の総数が最大10基に制限され、新設する場合も既存の原発がある場所に限られる。中道右派連合のクリステション政権は、同ルールを改正して上限、立地規制を撤廃し、小型モジュール炉(SMR)を軸に建設を進める計画だ。

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