高級乗用車大手の独メルセデスベンツは26日、同社が開発したレベル3の自動運転システム「ドライブ・パイロット」が米ネバダ州の認証を受けたと発表した。レベル3の承認を米国で受けた自動車メーカーは同社が初めて。ドライブ・パイロットはすでにドイツで承認・販売されており、投入可能な地域が増えることになる。マルクス・シェーファー最高技術責任者(CTO)は、「ネバダでの認証は国際市場投入の始まりであり、自動運転の新しい時代の始まりである」と意義を強調した。
ドライブ・パイロットは技術者だけでなく、法律家、コンプライアンス担当者、データ保護担当者、倫理学の専門家も交えたチームで開発した自動運転システム。走行速度など一定の条件を満たしていれば運転をシステムに任せ、ドライバーはオンラインショッピングやメールのやり取りなど他の作業を行える。システムが機能する速度の上限はドイツで時速60キロメートル、米国で同40マイルとなっている。
ドイツでは2021年に認証を受け、22年に販売を開始した。旗艦モデル「Sクラス」と「EQS」向けにオプション販売している。価格は税抜きベースでそれぞれ5,000ユーロ、7,430ユーロ。
米国でも両モデルを対象にオプション販売する。搭載できるのは2024年式モデルから。今年下半期に顧客への引き渡しを開始する。
メルセデスはカリフォルニア州でもドライブ・パイロットの認証を受ける意向で、すでに書類を当局に提出した。年内の同州販売開始を目指している。