ペイパルを独カルテル庁が調査、市場支配的地位乱用の疑いで

ドイツ連邦カルテル庁は23日、米オンライン決済サービス大手ペイパルが独市場で独占的地位を乱用している容疑で調査を開始したと発表した。競合に対する不当な妨害と価格競争の制限を行っていた疑いがある。独事業を統括するルクセンブルクの欧州法人ペイパル(ヨーロッパ)を対象に調査を行う。

カルテル庁によると、ペイパルは独市場でペイパルを利用する小売店・サービス事業者に対し、◇手数料が同社よりも低い競合の決済サービスを選んだ顧客に、ペイパルで決済する顧客よりも低価格で商品・サービスを販売する◇競合の決済の方がペイパルよりも好ましい旨を表現したり、競合の決済がペイパルよりも快適に利用できるようにする――ことを禁止していた。

決済サービスの料金は事業者によって大きく異なり、最大手のペイパルの料金は最も高い部類に入る。アンドレアス・ムント長官はこの事情を踏まえ、手数料の低い決済サービスを選んだ顧客向けの販売価格を引き下げることを小売店などが禁じられれば、ペイパルの競合は不利な立場に追いやられたり、市場に新規参入できなくなると指摘。小売店などが決済サービス事業者に支払う手数料は商品・サービス価格に転嫁されることから、決済サービス市場の競争が阻害されることのつけは最終的に消費者が支払うことになり問題だと述べた。

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