英10~12月期GDPは横ばい、景気後退入り回避

英政府統計局(ONS)が10日発表した2022年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比で横ばいだった。懸念されていた22年7~9月期(0.2%減)から2四半期連続のマイナス成長とはならず、定義上の景気後退入りはひとまず回避した。

GDPの約6割を占める個人消費は0.1%増と、小幅な増加にとどまった。光熱費の高騰などで10月に消費者物価指数が前年同月比11.1%上昇と、41年ぶりの高水準を記録。その後もインフレ率が10%を超える水準で推移しており、可処分所得の減少で個人消費が伸び悩んだ。

22年通年の実質GDPは前年比4.0%増。21年の7.6%増に続き、2年連続のプラス成長となった。

英中央銀行イングランド銀行はインフレを抑えるため、21年12月以降、10会合連続で利上げを続けている。2月には0.5%の大幅利上げを実施し、政策金利は年4%と、08年10月以来の高水準となった。ただ、23年はインフレ率が大きく鈍化する見通しで、中銀は英国が今年、景気後退入りするとの見方を示している。

ハント財務相は声明で、2四半期連続のマイナス成長を回避した点について「多くの人が懸念していたよりも英経済の回復力があることを示している」と強調。その上で「まだ最悪期を脱しておらず、特にインフレに関しては厳しい状況だ」と述べた。

上部へスクロール