東レ、独でグリーン水素製造装置向け中核部材の生産拡大

東レは17日、グリーン水素製造用の固体高分子(PEM)形水電解装置向けに、中核部材である触媒付き電解質膜(CCM)の生産をドイツで拡大すると発表した。グリーン水素の需要が今後、飛躍的に拡大すると見込まれることを踏まえ、生産能力を増強する。

水素・燃料電池部材の開発・製造子会社である独グリナリティ(GNT)が本社所在地アルツェナウで第3工場を確保し、水電解装置能力1ギガワット(GW)以上に相当する生産設備を導入。水電解装置向けCCMの生産能力を従来の3倍に拡大する。今秋の稼働開始を予定している。さらなる増設も検討する。

GNTの第2工場では、水素燃料電池車で使用される燃料電池向けのCCMと、膜・電極接合体(MEA)を生産する設備を増設し、このほど顧客への供給を開始した。フル稼働時には、第2工場の燃料電池用CCM・MEAの生産能力も燃料電池乗用車出力換算で1GW以上の規模となる。燃料電池乗用車1万台分以上に相当する規模だ。

グリナリティはベルギー企業ユミコアとソルベイの独合弁会社ソリヴィコアを前身とする企業。東レは2015年、ソリヴィコアを完全買収し、社名をグリナリティに改めた。

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