英中央銀行のイングランド銀行は23日、政策金利を4.0%から4.25%に引き上げることを決めた。利上げは11会合連続。鈍化傾向にあったインフレ率が2月に再上昇したことを受けたものだが、金融不安の懸念などを考慮し、上げ幅は前回(2月)の半分の0.25ポイントに抑えた。
イングランド銀は記録的な物価高に対応するため、2021年12月から利上げを開始。10月には0.75ポイントの利上げを実施した。1989年以来33年ぶりの大幅利上げだった。その後は2会合連続で0.5ポイントの幅で引き上げた。
2月のインフレ率は前年同期比10.4%で、前月の0.3%から急上昇。4カ月ぶりに拡大した。イングランド銀は米シリコンバレーバンクの破綻、クレディ・スイス・グループの経営危機を受けた金融不安がくすぶっていることから、今回は利上げ幅を0.25ポイントとした。国内の景気悪化も考慮した。
ただ、イングランド銀はインフレ率の再上昇について、野菜や衣料など価格変動が激しい品目の値上がりが主因で、4~6月には急激に縮小するとの見通しを表明。声明で「インフレ圧力が持続的に高まるという証拠があれば、さらなる金融引き締めが必要になるだろう」としながらも、利上げ局面の終了を匂わせた。
市場では次回の会合(5月11日)が最後の利上げと、今回が最後という見方が交錯している。
一方、同日にはスイス中央銀行の国立銀行が0.5ポイント、ノルウェー中銀行が0.25ポイントの利上げを決めた。